第6章「S級危険種族 ヘザー」



BFの面々が食堂に集まって席についている
ただしいつも通りの席ではなくマックスとティセが一番離れるように座っていて
その他のメンバーは思い思いに座っていた
ただしルシードはティセのすぐ隣りに座っている
そうしてティセを拾った時の事やその後事務所で過ごしていることなどを話していた

・・・というわけで、ティセはへざーだけど悪い奴じゃないぜ
ビセットが締めくくる
マックスはルシードを見ると口を開いた
すみません、さっきは取り乱してしまって。もう・・・大丈夫ですよ
よかった
マックスの言葉にフローネが安堵の声を漏らす

ようやく食堂に活気が出てきて食事を始めた
全員が食事が終わったのを見計らいルシードがマックスに訪ねる
マックス、ヘザーと何があったのか、話してくれるか?
いいですけど・・・
マックスがティセのほうに視線をずらす
ルシードはうなずくと全員に解散を告げる
BFはめいめいの部屋に戻った

そして2時間後ティセを除いて全員が食堂に集合していた
あれ?バーシアも来たんだ、来ないかと思ってたよ
これから仲間になる奴の話し聞いておいてもソンはしないでしょ
ルーティの皮肉を軽く流すと席についた
それじゃ話してもらえるか?
ルシードが促すとマックスが語りだした

このシープクレストからは遠い場所にシノグナータスという小さな集落がありました
5,60人という少ない人口ながら裕福とはいえないまでも幸せに過ごしていたんです
そんなある日かなり衰弱した3人が村の外から運ばれてきました
その3人の特徴はピンクの髪と尖った耳でした

そ・それって
ビセットの呟きにマックスはうなずくと話を続ける
はい、3人はへザーだったんです。もちろんS級危険種族である事はわかっていましたが
怪我をしている人を捨てて置く事も出来ず、皆で話し合った結果
回復するまでは村で看病する事にしたんです。それが間違いだったのでしょう


数日が経ちへザーの一人が目を覚ましたんです、最初は驚いた顔をしていたそうですが
周りの状況を見てお礼を言ったそうです、そのお礼を言ったという事実が
皆からヘザーに対する警戒心を奪い去りました


そしてさらに数日が過ぎ3人が完全に回復する頃・・・村が焼かれたんです
ヘザーは村に火を放ち、村で唯一の入り口で待ち伏せをしていたんです
そして次々に村の人たちが殺されていったそうです
そして僕の番が回ってきた時・僕の能力が発現しました。僕が殺したんです


その能力に助けられたとはいえ、いつ発動するかもわからない危険な力
村の人たちは僕を魔学に預け、そしてこの町を出て行ったそうです
・・・これがボクが学長から聞いた話のすべてです


話を黙って聞いていたルシードが口を開いた
それで・・・今までにもこんな事が?
いえ、今まで話に聞いただけで、考えても見なかったんですが
あの・・・ティセ・・・さんでしたっけ?彼女を見た瞬間・・・
記憶に無くても憶えてはいたみたいですね

今でもへザーが憎いか?
いえ、もう大丈夫ですよ、ティセさんは本当に純真そうでしたし
ルシードさんはティセさんを大切に思っていらっしゃるんですね

ばーか、そんなんじゃねーよ、単に危なっかしくて目が離せないだけだ
くすくす・・・センパイらしいですね

ところでマックス一つ聞いていいか?
はい?
お前ゼファーには会ってないのか?さっきから姿が見えんが
いえ、本部に着くと事件が起こってるって言われて、すぐ現場に向かいましたが・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
ガチャッ
玄関がゆっくりと開いた


選択画面に戻る
トップに戻る
7話に進む