シナリオ作り

GMをやろうの項でも軽く説明したシナリオ作成について語ります
序盤は重複する部分もあるので適度にお読みください


何にせよ シナリオを作らなくてはならない訳ですが、ここで悩みます
どんなシナリオを作れば良いのか
いきなりシナリオを作れといわれてサクサク作れる人はそう居ません
私自身そんなことは無理ですし
大体作るシナリオの多くは思い付きから始まります

『こんな事をしてみたい』とか言う思い付きを膨らませてシナリオを作るわけです

毎回引き合いに出すのが第5話の『ウェルチ』
『銀の輪の封印』にも登場したキャラを使いたいという思い付き が始まりでした

当初はエイジたち4人を出そうと考えたのですが、役を演じるのに同時4人は難しすぎる
さらに向かった場所が良くわからないので絡めにくい

そこで目をつけたのがNPCのウェルチでした
立場もはっきりしてますし、物語を作りやすい

さらに銀の輪の封印で狙われていた理由が喪失されたわけじゃないのに放置されている
この設定を放っておく訳には行かないと思い、コレを絡めたストーリーを考え始めました


そんな風にある一点を膨らませる事でシナリオというのは十分作成可能です
『ファーストクエスト』にあるシナリオフックはその1点に成り得ますし
元々はランダムダンジョンを使った冒険をするために作られている
『上級ルールブック』にあるシナリオ集から引っ張って作るのも良いでしょう

さらにゲーム・アニメの二次創作などという手もあります
これはそのままの登場キャラをPCにコンバートする手もありますが
PCはオリジナルキャラとしてNPCにアニメ等の登場キャラを出すという手もあります


こんな感じでとにかくシナリオの流れを作りましょう


次に大事な事がエネミーです
敵がまったくでないシナリオも可能といえば可能ですがそれではただのチャット・演劇です
やはりアリアンロッドをやる以上敵を出し、戦闘をするのは大事な要素です

このときエネミーをどうするか
ルールブックに52体
ファーストクエストに15体
上級ルールに56体
合計123のエネミーが公開されていますが、実際には選択の幅は広くありません

なにしろPCのレベルから考えて普通に出して良いのはせいぜい+3〜+5程度
これ以上になると通常の雑魚キャラとしては強すぎます
となると公式データから出せるエネミーは序盤でも30種に満たないかと思います
中盤ともなると10種も無い可能性が非常に高い

また、光のまったく無い洞窟に動植物エネミーは出現するはずがありませんし
光属性の敵が登場するのもおかしいでしょう
さらに何の伏線も無く通常のダンジョンに妖魔・魔族が出るのもおかしい
こう考えていくと出せる敵がさらに絞られてしまいます

さらに、PCもデータを読んでいることが多く、ステータスをある程度読まれてしまいます
特にクライマックスに登場させるボスがそれでは少々拍子抜けです

そこで自分なりにエネミーを作ってしまうのが良いです
特にラストに出現させるボスはかなり強力にしても対応してくれる者です
適度な緊張感を出すために1,2人ぐらいは行動不能にする気持ちで作りましょう

また、もっと厳しいデータにして勝ち負けの両方でルートが進むようにしても良いでしょう


これらと同様にトラップも重要な要素です
・・・普通の町に落とし穴とかがあっては堪りませんが・・・
ダンジョンならばやはりトラップは必要でしょう

トラップもオリジナルで作ってあっと驚かせる事を目指しましょう


※2004年9月12日追加
意外とセッションというモノは時間が掛かります
戦闘をあまり盛り込むとかなり危険になるので、時間が掛かった場合はココの戦闘をカットする
等と言った設定を自分なりに組んでおく事もセッションを円滑に進めるうえで役に立ちますよ
※追加終わり



次にシナリオを書きとめるときの注意点です

重要な事が2点あり
第1に、GMとPCは前情報から違う事が上げられます

GMが解っているつもりで描写しても伝わらない事がありますし
NPCを演じても誰を演じているのか解らないといった事体が起こる可能性があります

これらのついては一度書き起こした後にしっかりと読み返す事をお勧めします


第2にPCに伝えてよい情報を整理する事です

GMはPCに伝えてよい情報も伝えてはいけない情報も当然知っています
オープニングフェイズを行なっている最中にクライマックスフェイズを思い描けるのはGMだけ

このときつい口を滑らせてボスの名前を明かしてしまう、裏切るNPCをばらしてしまう
と言った行為はシナリオそのものを思い描いていた物と変えてしまう可能性があります

※ただし、プレイヤーには前もって裏切るという事を教えた上で進める手法もあります
 が、初心者はPLが知ることでPCの行動にも影響が出てしまうものです
 『フレイスの炎砦』などではこの手法がとられていますが、上級者向けです


もし仮に思いがけずネタバレしてしまった場合は何食わぬ顔で『当然与えるべき情報だった』
というふりをしましょう ココで動揺してしまってはいけません
言い直しなどは不自然ですし、不可能です
もうPLは知ってしまったのですから、そのまま進めるしかないのです


ただ、こういった事体を極力起こさない事もまた大事です

その予防法は前もって与える情報と与えない情報を分けて記述する事
例としては私の作ったウェルチを参照ください
別ウィンドウで小さく開きますので手元において進めてくれると良いかもです

※これは雑誌等で紹介されるアリアンロッドのシナリオ表記の仕方を参考にしています

まずシナリオデータ
これは書いても書いてなくても構いませんが、気分の問題です

ストーリー
ココに書いてあることはこのシナリオの全貌です
当然ネタバレ満載でばらしてはいけない情報がたくさんです
これは自分自身の確認のために用意しましょう

キャラクター作成
コンベンションなどで使用するシナリオの場合
サンプルキャラ指定などを行なう場所です

今回予告
ネタバレし過ぎてはいけませんが、何も伝えないのも問題です
ある程度のネタバレは構わないぐらいのつもりで作りましょう
※それでも核心はつかずにしましょう

シナリオを書き始める
実質シナリオを進行する上で必要なのはココから先です
オープニングフェイズはシナリオの導入部 PCに状況説明等を行います
ミドルフェイズはシナリオの主たる部分 実際に事件解決・探索に動きます
クライマックスフェイズは主にラストバトル 盛り上げましょう
エンディングフェイズは後日談など 神殿からの報酬受け渡しなど

実際にシナリオ進行で読み上げるのがこの先である以上
ココにこそ渡す情報・渡さない情報を区分する必要があります


まず描写
ココに書いてある文章はシーンが始まると同時に問答無用で読み上げます
基本的にPCの置かれている立場
また、移動した直後に周りを見渡して目に入ってくる情報などを渡します

当然ココにネタバレを書いてはいけません

解説
これはネタバレを含ませます
このシーンに起こることのあらすじ・裏情報などを書きます
ココに書く理由はGMの為
各時点でシナリオを整理する意味もありますし
纏めておく事で後で混乱した時見るべき場所がわかりやすいです

当然読み上げないように注意しましょう
ここまで書き分けて読み上げてしまったら元も子もありません

また、トラップ情報、遭遇するエネミー名、エネミーの行動パターンなど
教えてはいけない必要な情報を書き留めておくのも重要です

台詞
会話があるのならそこで起こるであろう台詞を書いておきましょう
予想できる範囲内でPCの反応を先回りして台詞を考えておくのも良いです

読み上げる時の注意点としては
完全に読み上げるのではなく『会話』という事に注意
前後がかみ合わない会話にならないよう、PCの話にも耳を傾け
必要ならばアドリブも入れるべきでしょう

描写2
公式には無いですが、必要と思った時に私が追加しました
無いシーンも有ります

会話の後読み上げるべき描写もしくは描写+会話がある場合には追加
※会話後に戦闘になるといった状況など

結末
このシーンの終わり部分です

ちょっとした会話・描写などをする事になるでしょう



この方法にこだわる必要はありません
重要なのはPCに与えてはいけない情報を与えない事
頭の回転が速い人ならば何も見ないで出来る人も居るでしょう

そうでなければ出来る限り綿密にこの作業を行なうといいです
文章に起こすという行為はよりチェックを厳しくする事にも繋がるからです

また書く場合でも、書き方などは自由です
とにかくPCに与えてはいけない情報を乱雑に書かないようにだけ注意しましょう


あとは実際にTRPGをやる事を通して、学んでいきましょう