ダブルクロス 〜それは裏切り者の証


【オープニングフェイズC】



シーン11『逆転裁判』  -ScenePlayer川島美空-

美空「・・・・・・と、このテープから、弁護人の証拠品はそのほとんどが偽装であり
   さらにそれは被告人からの要請である事が確実に証明できたと思います
   よって、被告人にはさらに罪状を追加 および、弁護人を容疑者として起訴いたします」



裁判はほぼ一瞬で決着がついた

弁護人が並べ立てる明らかな無罪の証拠
誰が見ても無罪としか思えない証拠を幾つも並べた時
司も、勇悟も焦ったものだが、美空は冷静だった

一本のテープを聞かせるだけで場の雰囲気ががらりと変わった

・・・まぁその証拠テープは盗聴としか思えないのだが・・・



司も勇悟も 何も言わない内にほぼ裁判は終了した
裁判官の閉廷を告げる木槌が鳴り、傍聴人達がぞろぞろと外に出て行く
その中には居るべき人がいなかったりするのだが・・・

司「にしても、兄貴 何やってんだだ・・・」
勇悟「はは・・は・・・ アレには確かに驚きましたねぇ
  まぁ外で待っているんでしょう 早いところ合流しましょうかね」

傍聴席で護衛をするはずだった永斗と秋一は裁判が始まったと思ったら
冒頭弁論が終わろうかという所で早速 退場をくらっていたのだ

二人は頭を抱えつつも、事実を語る訳には行か無い為にそれっきりになっていたのだ



勇悟「ま、とりあえず終わりましたね 美空さんもお疲れ様です」
美空「・・・ハイ・・・」
司「つーか驚いた 一生分喋ったんじゃね―か?」
美空「仕事・・・・・・ですから・・・」

勇悟「二人とも、気を引き締めてください いつ敵がやってきてもおかしくないんですからね」
司「あいよ」
美空「ハイ」

と、部屋を出た瞬間に違和感に気付く
部屋の外ではほぼ全員が地に突っ伏している

司「敵か!?
勇悟「ワーディング!?」
美空「ッ!? 二人とも!息を止めてっ!!
司「え?・・グッ・・・・・・・」
勇悟「こ・・れは・・・・・・」
二人は周りの人たちと同じように横になってしまう

一人だけ倒れる事の無かった美空が前を見ると、そこには1人の男が立っていた」

男「二人のお友達と、ここにいる全員を助けたければ・・・解ってますね?」

あくまでも慇懃に訪ねてくる
言葉の調子は嘘を言っているようには感じられない
ここで首を横に振れば確実に回りに居る人たちを躊躇無く殺す
それが感じ取れた美空には

美空「・・・ハイ」

首を縦に振る選択肢しか残されていなかった

敵の意思に屈した瞬間
今まで抵抗してきた敵のエフェクトの効果が出始める

その視界は次第に閉ざされ、闇に落ちた






シーン12『裁判退場』  -ScenePlayer三沢秋一-

裁判官「では、冒頭弁論を・・・・・・」



秋一「始まったか・・・おい永斗 一応警戒して置けよ 何があるか解らんしな」
永斗「ふっ まかせておけ 俺は奇襲には強いからな」
秋一「・・・お前ぇが初めてまともな人間に見えるぜ・・・」
永斗「博打には弱いがな」
秋一「・・・いつも通りかもな・・・」



     *     *     *      (3分後)



永斗「なぁ秋一さんや?」
秋一「ぁ? なんかあったか?」
永斗「飽きた」
秋一「我慢しろ お前はやれば出来る子だろ!」
永斗「そうだ おれは出来る 出来るゾ!! 俺はエライ!!」
秋一(まじ効いてる・・・)



     *     *     *      (5秒後)



永斗「くっ!? もうアンちゃんダメらしい・・・」
秋一「早っ!? まだ数秒だぞ!?」
永斗「そうはいってもなぁ・・・なんかイメージと違うんだよ」
秋一「あ?」
永斗「俺の中の裁判のイメージってのは・・・こう・・・

検事(永斗)「これが俺の証拠品(切り札)だぁ!!
弁護士(永斗)「異議あり!!
検事(永斗)「甘ぇ 甘すぎるぜ!! こいつをくらえぇ!!
裁判官(永斗)「チェストーーーーーー!!!

   ってのかと思ってたんだが」
秋一「いや、なんていうか、、そのイメージは果てしなく間違ってる上
   最後の裁判官が何故叫んでるのかが訳解らんし、、、そんな事より・・・追い出されるっぽいぞ」
裁判官(本物)「係官 彼らをつまみ出しなさい」
永斗「はははは うるさいぞ秋一」
秋一「彼『ら』だ『ら』 ってか本来はお前一人だ!!」
永斗「ははははは 馬鹿だな俺」
秋一「そうだよ!!



     *     *     *



秋一「・・・おい、終わったぞ 早いとこ司や渡良瀬さんと合流だ」
永斗「いや、まだだ」
秋一「あ?」
永斗「行け行け あと200メートル 来い来い来い来い!
秋一「またそれかよ!?
永斗「来たーーーー万馬券が!!!」
秋一「ってマジか!?
永斗「俺は買ってないが、来たぞ」
秋一「・・・・・・ダメだ マジ司に尊敬するぞ 俺は

??「おもちゃの兵隊連れて なにやってんのさ」
秋一「なっ!?

パァン パァン

??「と、振り向きざまの一撃にしちゃあ上出来だ
   今度はしっかり顔見て狙いな・・・秋兄(しゅうにい)
秋一「おまっ!?
永斗「く、俺は3人兄弟だったのか!?」
秋一「違ぇ 黙ってろ!!・・・・・・春彦か?」
春彦「あぁ・・・10年ぶり・・・ぐらいかな?」
秋一「そんなモンだな、ハル・・・お前FHに居んのか?」
春彦「そうだよ、俺の正義のために」
秋一「家族襲って一家皆殺しがお前の正義か?」
春彦「何言ってるの? 秋兄は俺を殺したじゃん
秋一「アレは不可抗力だ 俺はまったく悪くない(キッパリ)
春彦「・・・あれ? 普通こーゆー場面って、もっとうろたえるモンじゃない?」
秋一「気にしたってしゃーねーだろ お前は生きてる なら十分だ」
春彦「くくっ 変わってないね 秋兄」
秋一「ハル コッチ戻る気は・・・無いのか?」
春彦「無いよ、秋兄は・・」
秋一「無い」
春彦「だよね・・・なら、仕方ないよね」
秋一「あぁ」
永斗「ZZZZZZZZ」
秋一「って!寝てんなよ! 出番ねぇからって
   ッ!? これは!?」

??「遅いです こちらはもう終わってしまいましたよ」
春彦「あ、悪ぃ悪ぃ 家族感動のご対面ってやつでさ」
??「そのような性格ではないでしょうに・・・」
春彦「まーまーそー硬い事言わんで」

秋一「ちっ・・・」
春彦「さて、それじゃ俺たちは行くよ」
秋一「・・・」
春彦「2対1、さらにこの睡眠毒の中にいて、戦いを挑む馬鹿じゃないよね?」
秋一「あたりめーだ・・・だが、かならずFH(お前等)は潰すぜ いつかな」
春彦「待ってるよ  じゃな



秋一「くそ・・立ってるのも・・・限界・・・・・か・・・・・・」
ドサッ






シーン13『争いの日常』  -ScenePlayer宮崎智-

美宇「・・・と、言うわけよ」
智「なるほど、人助けってことだね」
美宇「そうね、アンタにとってはその方が気が楽なんでしょ?」
智「そりゃね 人を殺せって言うよりはずっと楽だよ
  ・・・・・・例え最終的に同じだとしてもね」

美宇「・・・ん?、気をつけなさい」
智「え?」
美宇「人の気配が全然無い すでにワーディングが張られているみたいね」
智「もう・・・始まったのか・・・」
美宇「速度制限も関係ないわね、飛ばすわよ
智「うわっ!? 事故だけはしないでよー」
美宇「ふん アタシがそんなへますると思う?」
智「・・・・にしてもこんな大規模なワーディングなんて・・・」
美宇「向こうも本気って事でしょ、、、見えた突っ込むわよ

キィィィィィィィィ

車は、無人の4車線道路をドリフトのまま建物に突っ込んでいく
思い切りの良さというか、、、なんというか、、、

と、その時視界の端に何かを見付けた
智「飛び降りろ!!
美宇「解ってるわ!
ドアを半ば吹き飛ばすようにして車外に転がり落ちる

メキャ

それと同時に車体のど真ん中を貫通する黒い何か

美宇「あれはUGNじゃないわ やっちゃって!」
智「りょーかい」

すぐさま駆け出そうとしたボクに
黒いモノが幾重にも枝分かれして襲い掛かってくる

智「ちっ!髪の毛!?」

すぐさま腕を刃に変えて、それを一閃する

??「まだまだぁ!」
男は叫び、さらに髪の毛を蛇のようにうねらせる
が、毛の統率が乱れ始める
??「く・・・んだ・・・この痛み・・・」
智「終わりだ」

その隙を突いて懐にもぐりこみ
槍に変わった腕をその胸に突き刺す

ズッ

智「ッ!?」
人体の中心を突いた、確実に背骨を捉えたはずの一撃
だが、その感触は柔らかい土にでも刺したような感じだ
??「無駄だぁ!!

突如男の全身から触手が伸び、ボクの体に巻きつき始める
が、その力は非常に弱い
ブチブチブチブチ
一気に触手を引きちぎると、すぐに距離をとる

??「くっそ そこの女か、さっきから力が出ないのは」
美宇「そういう事ね もっと早く気付くべきだったんじゃないのかしら?」
??「2対1なんて卑怯な奴だ」
美宇「貴方と戦闘倫理について語るような、無駄な時間は
   こっちには一片たりとも存在しないのよ」
??「なっ!てめぇ!」
美宇「それと・・・もう無駄かもしれないけど、一応忠告しておいて上げるわ」
??「あんだ!?」
美宇「仲間は、、、しっかり選んだ方がいいわよ」
??「あ?ガァ!!!!

ぐちゃ

今まで人の形をしていたものは
車ほどもあるような巨大な鉄塊によって潰されていた
その後ろには、その鉄塊を持った
不釣合いなほど小柄な人間が立っている

??「キミ、もう用済み」

さっきの男は自分の体の中身をいじくっていたはずだ
よって、中心に背骨があるという常識は通用しない
だが、体全体を潰されてはどう移動させても無駄だろう
・・・どっかの漫画で見たこと有るような気がするけど・・・

だが、そんなことはどうでも良かった
血が騒ぐ
奴を殴れと
奴を串刺しにしろと
奴を殺せと
そんな衝動が沸き起こる
なぜかは解らない
だが、何故か考える事も億劫になるほどの衝動が・・・

??「あれ?キミ・・」

目が合う

その瞬間

全てがはじけた

ガッ

コンクリートの地面が砕けるほどの踏み込みで懐に潜り込む
かつて、いかなる戦闘でもこのような動きはしたことが無い
体が軽い

バキィ

自分の体だけが衝撃に押され、吹き飛ぶ

智「くっ!?」

??「巡りあわせってのはあるんだな・・・」
智「あぁぁぁぁぁぁぁ!!
美宇「智!!ダメ!!」
智「う・・・」
呼ばれた直後、血の疼きが止まる
??「また、会う時が来る・・・」
智「ま・待っ・・」
美宇「ダメ どんな罠があるのかだって解らないんだよ?
  外に手ぶらで出て行ったアイツに深追いはしない」
智「・・・そう、だね、、、ゴメン どうかしてた」
美宇「その話は後 今は、今やるべき事だけを考えるわよ」
智「ん」






シーン14『潜入』  -ScenePlayer佐々井真奈-

ヴォォォォォォ

誰もいない細い道を一台のバイクが駆け抜ける
時速は約70q/時、制限速度は30Km/時
だが、それを見咎めるものは一人とていない
すでに辺り一帯にワーディングが張られている

・・・やっと建物が見えてきた、でも予定より数分遅れてる



ドッドッドッドッド
まだ少し遠い位置でバイクを降りる
あまりに急いで建物に突っ込んだりすれば同士討ちの可能性もあるからだ



地下駐車場へと続く裏口に見張りが二人
どちらも対ワーディング・マスクをしている事からまず間違いなくストレンジャーズではあるまい
おそらくはFHの下っ端エージェントだろう

・・・強行突入・・・かなぁ、バイク置いてきたのが裏目に出ちゃった
・・・・・・取りに戻るべきか・・・・・・
キィィィィィィィィィ グシャッ
車が盛大にスリップする音と、謎の破壊音
一瞬ワーディングに迷い込んだ一般人かとも考えるたが、違う
あまりにも近すぎる
そう、音の発信源はこの建物の裏
ちょうど正門の有る辺りだ
誰かが突入でもしたんだろう・・・
見張りは、裏の出来事にうろたえているのが見て取れる
明らかに自分の行動に自信がもてない者のそれだ
二人で何か言っているようだが・・・これはチャンスかも・・・

真奈「何をしているの! 正門に向かいなさい、敵が攻めてきたわ!
男達「は・・」
真奈「早くしなさい!!
男達「はっ!!」
下っ端と思しき男達は慌てて正門方向へと駆け出した

・・・ふぅ・・・
寿命縮まるわね 素直に攻撃した方が良かったかしら
・・・ま、結果オーライ 中に急がないと



駐車場はほぼ満車
隠れる場所は多いけど、中には見張りが一人としていない
・・・無用心ね・・ま、助かるけど・・・



カッ カッ カッ カッ
・・・と、誰か来たわね 足音は複数・・・
そのまま壁際に身をひそめ、裏を通り過ぎるのを待つ
カッ カッ カッ カッ カッ カッ カッ ・・・

止まった!? バレてる!?

??「誰だ」

男の低い声が地下の空間に反響する
その声は高圧的でもあり 半面、限りなく優しくさえある
ふと、その声の前に素直に出て行きそうになる
・・ダメよ とにかくどう動くかを考えないと・・

??「隊長、そろそろ」
??「ん 解っている 彼女は任せるぞ」
??「?、はっ!」

・・彼女? なんで私の事がばれてるの?・・

最初に声をかけてきた男は『隊長』らしい
声を聞いただけだが、妙に納得できる話だ
任務の為なら飛び出してでも取り押さえるべきなんでしょうけど
そんな気には成れない
きっと、どうやっても勝てる相手なんかじゃない

男「そこの・・・女・・・か?」

一人残った男が少しずつこちら側に回りこんでくる
隠れている意味は時間稼ぎ以外にはない
それにどちらかというと時間に焦っているのはこちらの方
・・いずれにせよ、こんな狭い場所にいつまでも居る訳には行かないわね

真奈「ふっ」
通路に飛び出すや否や、ナイフを投げつける
男「ちっ!?」
左手に刺さったが、とても致命傷とはいえない
しかも対ワーディング・マスクをしていないってことはオーヴァード
それじゃ尚更この程度の傷ではどうしようもないはず

男が右手をまっすぐこちらに向ける
男「このアマ!」
男が行動をするよりも早く、頭にビジョンが浮かぶ
男から放たれた光が、自分の腹を穿つ光景が
そうならないよう、自らの周りを漂わせている何かに命令を下す
男の右腕から光の筋が伸びてくる

チィン

その光は、空中に現われた氷の盾によって弾かれる
男「ちっ サラマンダー "ストリクトシールド"か!?」
真奈「!?」・・何故それを いえ、いまはそんな場合じゃない・・
男は執拗に光を放ってくるが、それらを全て盾で受ける
パァンパァンパァン
男「ぐぅ」

連続ではなった銃弾が男の右肩と右足を貫く
男「くっそぉぉぉ!」
??「止めておきなさい アナタごときでは相手が悪すぎよ」
男「ちぃ! ・・・癪だが、あんたに任せるぜ」
女「えぇ」

突然現われた女
そして逃げる男
理性ではすぐさま男を追うべきだと解ってはいるのだが
何か気にかかることが有る
・・・・・・この声・・・・・・

女「久しぶりね"ストリクトシールド"・・いえ、佐々井隊長?」
真奈「え?」
女「私の事なんて忘れちゃったのかしら?」
真奈「アナタ・・・五十嵐・・・さん?」
??「えぇそう かつての同僚で、かつての部下で、、、かつてあなたに殺された女よ」






シーン15『過去』  -ScenePlayer五十嵐-

ぎゃあああぁぁぁぁぁぁぁぁ
うわあああああああぁぁぁぁぁあぁぁ

真奈「ダメ 闇雲に逃げたら!」

目の前に広がる信じられない光景
人ではなく、動物でもない
心が存在を拒否したくなるほどのバケモノ

それは突然現われた
要人の護衛・・・にしては物々しいまでの動員人数
命令の出所が複雑に暗号化された指令書
すべてはこの非現実のためだったのか

ぐげぇ
グシャ

ソレの手のようなもの が、私の脇にいた人を握りつぶす

ピシャッ
ぁ・・

身体中に浴びせられる紅い血
真っ赤に染まったその手は私に迫る

真奈「五十嵐!危ないっ!」
ドンッ
肩を強い力で押され、赤く染まった床を転げる

真奈「くっ」
パァンパァン カチカチカチ

バケモノは隊長の撃つ銃弾を水鉄砲ほどにも動じていないように見える

ギシャァァァァァァァァァ
この世のモノとは思えぬ咆哮
ソレは隊長という獲物に突進してくる

真奈「あぁ!」
かろうじて脇に飛ぶようにしてソレを避す
床に敷かれた肉片と血の絨毯を転がりながら必死に逃げる

そして、ソレは再び加速する
隊長目掛けて一段と速く疾駆する化け物
すでに隊長に最初のような動きのキレは無く
傍目から見ても到底避しきれるものでは無い・・・ハズだった

真奈「うあぁぁ!!
やけくそに出した隊長の拳が化け物の横面を叩く

ただそれだけ

それだけのはずだった

だがそのときの隊長の手は

赤く燃えていた

突然の反撃にバランスを崩しかけるバケモノは私のほうに倒れてくる
ぅ・・・ぁ・・・
そして視界は暗くなった






シーン16『過去からの因縁』  -ScenePlayer佐々井真奈-

五十嵐「アナタがアレを呼び込んだんでしょう?」
真奈「え?・・・何を言って   
五十嵐「あの日 部隊を壊滅させたアレのことよ」
真奈「そん・・な・・・そんなワケ無いじゃない!」
五十嵐「ジャマだったんでしょ?自分はエリートだから、私達みたいなペーペーが!!」
真奈「私はそんな事してない できるわけ・無いじゃない」
五十嵐「アナタは私達にない権力を持っていた・・同期のくせに、対して成績も変わらないのに
   ・・それなのに、アナタは大部隊の隊長。私は一兵・・・なんなのよ!」
真奈「知らない 私が望んだわけじゃない」
五十嵐「アナタはその立場に甘んじた。それは望んだのと一緒なのよ」
真奈「そん・・・な・・・・」

五十嵐「そしてアナタはあの事件を引き起こした」
真奈「っ!! それは絶対に違うわ!」
五十嵐「なぜそういえるの」
真奈「あれはFHとストレンジャーズが  
五十嵐「都合が悪いとすぐに人のせいね」
真奈「え?」
五十嵐「そんなコト、起こったなんて証拠 あるの?」
真奈「・・・」

五十嵐「そうじゃなくて アナタが引き込んだんじゃないの?」
真奈「・・・・・・」
五十嵐「アナタも化け物だった・・・化け物が化け物をよんだ そうじゃないの?」
真奈「ちがっ 私はあの時力なんて   
五十嵐「それだってホントかなんて怪しいものだわ」
真奈「・・・」

五十嵐「アナタは・・・部隊を殺した・・・私を殺した・・・」
真奈「それは   
五十嵐「違わない! それが私にとっては真実なの!」
真奈「そん・・な・・・」
五十嵐「だから私は・・アナタを殺し返す」
真奈「冗談・・でしょう?」
五十嵐「悪いけれど・・・ホンキよ!!

 パァン カィン

五十嵐「ほら見なさい 普通の人間は銃弾を平然と防げたりしないわよ!」
真奈「・・・」
五十嵐「あら?だんまり?」
真奈「・・・・・・」
五十嵐「ふんっ いいわ アナタが何か話しても私は不愉快になるだけ
   ・・・アンタさえ死んでくれさえすれば、いいわ」

パァン パァン パァン
 キィン  キィン  キィン

真奈「・・・・・・」
五十嵐「くっ・・・えらそうに」


何を言ったらいいのかが解らない
何を言っても、きっとこの子は傷つく
もう自分じゃなにも・・・


五十嵐「?・・・ふふ 観念したってワケね いいわ一発で終わらせてあげる」
真奈「・・・・・・」


その方がいいのかな
生きていたからといって意味があるとも思えないし


真奈「・・・・・・」
五十嵐「サヨナラ」

パァン ??「やめろーーーーーーーーーー
カィン

五十嵐「なっ!?」
真奈「檜山君・・」
ケイト「大丈夫ですか? しっかりしてくださいよ」
真奈「・・」
五十嵐「ふん、化け物が化け物の味方をする ね」
真奈「・・・・・・」
ケイト「何を言われたのかは知らないけど、真奈さんはよくやってるよ」
五十嵐「何言ってんだか、いきなり現れて変なこと言わない   

ピピピピ ピピピピ

五十嵐「ちっ ・・・ 五十嵐です・・・はい、確かにマトモに戦っては勝てません
  ・・・解りました」 プッ 「今日は引くわ、次は殺してあげる・・・じゃあね隊長」
ケイト「待   
真奈「いいの、ケイト君」
ケイト「彼女の言葉になんて負けないでくださいよ」
真奈「うん ありがと」
結希「遅れました 大丈夫ですか!・・・って、何で良い雰囲気なんですか?(はんにゃ)」
ケイト「こ・これは   









次の話に進む

ダブルクロスのトップに戻る
TRPGのトップに戻る
トップに戻る