『ヒース独立記』

第5話「お名前は?」

「レオニャっていうにゃ よろしく」
「嗚呼レオニャかぁ 良い名だ
 まるでその名前は君の為だけに存在しているかのような素晴らしさ
違うにゃ!、レオニャはレオニャじゃなくてレオニャにゃ」
「? レオニャでしょ?」
にゃーーーーーーー!!
「??」

「レオナ と言いたいのでしょう、その名で神殿には登録されています」
そう!それにゃ!

ランディアさんの助け舟にすぐさま反応するレオナさん
対してご主人様は・・・

「レオナ・・・まるで君だけ  
「もうそれはいいにゃ 言いにゃお()しても印象は変わらにゃいから」
「・・・」

「さて、お話はそれぐらいにしてそろそろ準備してもらいますよ」
「本当にヒースと行かにゃきゃダメにゃ?」
「1人よりも2人ですよ、レオナさんは前衛で2人のバランスは良いですし
 それにヒース君には羽もありますから いざとなれば、逃げる際の足にもなるでしょう」
「にゃ〜 解ったにゃ」

「それと見取り図と鍵束です 見取り図の方にどの場所がどの鍵か、書いてあります」
「おぉ いつものダンジョンと違って用意がいい」

「当たり前です、アレは一応街の施設なんですから・・・
 ですが、何者かが潜伏しているならこの鍵が使えない可能性は十分にあります」
「それじゃ意味ないじゃないっすか」
「ヒースは咄嗟にはんにょう(反応)しにゃいでもうちょっと頭を使うにゃ」
「そうですよヒース君」
「うぅ・・・レオナに言われるのは構わないがランディアに言われるのはムカツク」
「普通逆にゃ」

「とにかく!どういう意味だよ?」
「ふぅ・・・いいですか?ヒース君、旧王城の内部はとても広い
 潜伏者が居るとして、その内部全てを使用していると思いますか?」
「い・いや、さすがにそこまでは・・・」
「そうですね、全面的に利用してはちょっとした調査で見つかってしまう
 ならばその奥の一部 例えば地図に載っていない隠し部屋などを利用するはず」
「この地図には隠し部屋とか載ってないのか?」
「一応調べのついている部分に関しては記載されています
 また、そういった部屋がないならば一部の部屋を利用する
 そしてその際用心のために鍵を変える可能性は十分にある」
「ってことは・・・」
「この地図とは違う状況に陥った場合、そこは限りなく怪しい という事です」

「うし、んじゃいっちょ行きますかね」
「それでは王城の外壁の外まで飛ばしますよ」
「中じゃないのか?」
「いきなりどうなっているか解らない中に送るのは危険でしょう
 羽があるんですから侵入は容易いはずですし、先に偵察もできます」
ランディアさんがそう言うと2人(と1匹)は光に包まれ
気がつくと高い城壁のすぐ脇に立っていました





「どうにゃ?何か解るにゃ?」
「や、何にも見えん 少なくともこの建物も窓際にはなんもないなぁ」
今ご主人様は城壁ギリギリの高さにまで跳んであたりを偵察しています
ランディアさんが一緒に飛ばしてくれたマジックアイテムのお陰で近付かなくても偵察可能です

遠くからでも、まるで近くにあるかのように見ることの出来るアイテム
周囲の風景と同化して遠目には敵に発見されなくするローブ
さらに離れた場所にいる2人が小声でも会話できる通信石
最新の錬金術というものは凄いです

「アバウトにするんじゃにゃいのよ、後で困るのはアンタにゃんだから」
「ちょっと細かすぎないか?」
「にゃに言ってるにゃ、ヒースはアバウト過ぎるにゃ
 着いて早々屋敷に突入しようとするとは思わなかったにゃ」
「う・・・『虎穴にいらづんば虎子を得ず』って言うだろうが」
「それでも何の策もなしに入ったらすぐに親に見つかるにゃ
 このミッションは『失敗したらそのまま死』にゃんだから慎重すぎて悪い事は無いにゃ」
「へーい」

私も何度か同じ意の言葉をご主人に言った事があるんですが・・・
アルリクだからですかね、素直に言う事を聞くのは・・・

「ん?」
「どうしたにゃ?」
「や、何でも」
「・・・・・・一応教えて、何を見たにゃ?」
「へ?単に一部屋だけ暗幕がかかってるだけだよ
 少し中が見えるけど別に怪しいものは見えないし」
「あそ・・・・・・・・・って!すごく重要じゃにゃいにょーーーー!!
うわ!大声出すなよ!」
アンタのせいにゃ!で?それは何階のどの辺?」
「えと・・3.4階の・・・」
アホかーーー!きっちりしなさいこんな時ぐらーーい!!
 ってにゃんでこんなに突っ込みキャラににゃってるにょよ・・・私は・・・」
「まぁまぁ、で場所は・・・・」




「よし、それじゃ行くにゃ」
「おう」
その後は不信な部屋も見つけられずにようやく偵察も終わり
2人はようやく敷地内へと侵入
問題の建物の前まで進みました







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